No.583 汚物な彼

 

 

汚い瞬間に 汚い言葉を吐いた

彼は誰かを傷付けたかっただけだ

そして 彼も攻撃を受けて

誰も得をしない時間が過ぎていった

 


彼が孤独を感じるようになるまで

彼を思い続ける人は居るだろうか

汚い瞬間はまた 必ずやって来て

汚い言葉も 誰かの口から吐き出される

 


増殖する汚い何かを綺麗にするためには

おそらく汚い手段を使わなきゃいけないのだろう

彼はそのことが一番気に入らずに

綺麗になることも出来ない 臆病者になる

 


臆病者は いつも誰かを探している

汚い言葉を吐く機械になってくれる人間を

彼は 双眼鏡を片手にパンを食べながら

小高い丘の上で 辺りを見回し続けている