2018-01-01から1年間の記事一覧

No.252 愛の詩.2

そう考えてみると 僕はきっと 自殺したくなるほど孤独になった時に やっと愛を知るのだろうと分かる 今までもそうだった その前にわかった試しがない 僕は今ゆったりとしたソファに座っていて そこで煙草をぷかぷか吸っているようなものなのだ 失った時に本…

No.251 愛の詩

愛について詩を書こう 僕はそう思って文章を考えた すると何も浮かばない 僕は愛をそれほど持ち合わせていないのかも知れない 詩人は愛を書くものなのだろうか 一遍や二篇は必ず書く決まりなのだろうか 僕が書けることと言ったら 行動から起こった現象くらい…

No.239 独り言が空を飛んで

独り言が空を飛んで 夢を見ているあの子に届けば良いのにな 知らないふりをしていても 気になることがある 僕の汚い部分を見せてしまったとしても 「そんなの私には関係無いわ」 あれは本当かな ぼんやりとしていたら また一日が過ぎて 一週間 一ヶ月 一年と…

No.232

悲しくて涙が枯れた 手を伸ばして 掴もうとする影 涙の代わりに笑うと 影は消えてゆく 手を引き戻す 雨に濡れた服も気にならない まぁこんなものなのだろう 愛を語れるほど大人ではない 愛を信じるほど子供ではない 全てくだらないと言ったあいつは くだらな…

No.228 無題

もやがかかった視界の先に 面倒なものが沢山落ちていて 近付いて 見ようともしないで 蹴飛ばして進むことしか出来ない 「誰もが病にかかっているのだろう」 彼はそう言っていた 「私は正気 貴方とは違う」 彼女はそう言っていた とてつもなく大きな山に見えるも…

No.214 綿雲

君がどこへ行くのか 誰にもわからない けれど君と僕は 出会わなければならない 空を見上げる 二度と同じ形のない君に 願いを乗せてみよう 美しい場所へ 君だけでも 雨の日には見えない太陽よりも 快晴では見えない君の方が 僕にとっては 悲しいことで 眩しさ…

No.204 お題「愛は、時として刃物だ。」

愛は、時として刃物だ。 真実は、いつも残酷なものだ。 分かり合えないと誓いも揺らいで、 寂しさに隠れたくなり、心を閉ざしたくなる。 そして考える。僕らは何を求めているのだろう、と。 明日の朝目覚めて、愛する者が隣にいると、 何故言い切れるだろう…

No.198 誰かの愛

誰が誰を好むのかなど 誰も気にすることはない 何が何を望むのかなど 何も気にすることはない 彼は彼を受け入れるか 彼女が彼女を突き放すか 彼が彼女と手を組むか 彼女が彼を手放すか そんなことなどちっぽけ過ぎて 何の役にも立ちはしない そんなことなど…

No.179 歪めいた形

感傷的なあなたと 不感症気味なわたしに 一輪華を添えて あの人笑顔で 手を振っていたの 夢みたいなイルミネーション 狂ったように見えるでしょう? 悲しいことなんて何もない わたしは言い聞かせた あなたに ブラックコーヒーと タバコの香りで 涙がいっぱ…

No.177 社員

押し込んだ憂鬱を 溜め込んだ苛立ちを 二言目にその添えそうになる 後はつまんで食べてくれ 工場の隙間から 見えている景色には 灰色の膜が張り 火種になりそうなダンボール だだっ広い駐車場 真っ白なシフト表 誰も居ない 居た形跡もない ルールの中 ループ…

No.176 旅

旅をしよう 何処に行こう? 服を着よう 何を着よう? 覚めた朝 冷めた風 良い加減 飽きた街 見慣れてた 景色から 変わるには 三時間 旅をしよう 此処に行こう 夢を見よう 追いかけよう 春の言葉 尋ねたら おばさんは こう言った 「花言葉 精神美」 難しい わ…

No.175 喪失

ぶっ倒れそうな身体をベンチに座らせたこの公園には煙草の吸殻が多過ぎた捨ててあった空き缶を灰皿にして眩しい太陽から逃げるように日陰 そう はぐれてしまったのだ勤め先には 訳あって行かなくなったそれから身体は日を数えるごとに重くなるしこのままでは…

No.174 日記のようなもの(3/25)

だだっ広い場所の大きな金属錆びて こちらを向いている僕らは目的も無く歩いて来た花に止まる蜂や 屋根の上を歩く烏 そして ぶっきらぼうに積まれた大きな金属の写真を撮りながら 久し振りに煙草を買った頭はぼんやりと春を確かめていた子供の多いマクドナル…

No.172 ほんの短い家出

閉店したスーパーの前を横切る駐車場に車は当然無い目的を探して歩くけれどあてもなく彷徨う羽目になりそうだ (一人になりたい君は 寒そうな外に出かけた その後を追うわけでも無く 僕は煙草を買った 夜空に吸い込まれてゆく煙が 何故か寂しそうだ 満天の星…

No.171 従者

一日中煙草でも吸って意味の無いことを考えていたい 改札でごった返す人の波も通学路で遊ぶ賑やかな声も憂鬱な顔をして佇むビルも何も無い一日を ただ過ぎる一日を 求めながら 彷徨う頭の中は何処までも広がる空洞のようで見渡しても 音を鳴らしても果てなど…

No.170 ヒトデナシ

飛び出して行った君は何処へ行くのだろうか僕はどんな顔をして君を待っていれば良いのだろうか 僕だってまともに 人間になりたい君だってまともな 人間になりたい 逃げ出して行った君は何処へ着くのだろうか君はどんな顔して僕を待っていてくれるのだろうか …

No.169 ・

ぷちり ぷちり 千切れ 途切れ悲しいほどに 通信は途絶えただただ 時間 そして 空間一人でない時でさえ 一人に怯える 凍てついて窓の外はきっと雨模様部屋の中の常夜灯をもう少し暗くして待ちたい 雨の上がる瞬間晴れ間がそっと見えて雲たちが忘れ物を取りに…

No.168 空想癖

煙草を吸うと頭ん中ぽっかり空いてどろどろになった思想が垂れ流される日々の中で叩かれた臆病な心たちはそんな思想が嫌いなのか目を背けている ニコチン タール そんなもの全て嘘っぱちでただの紙 ただの葉っぱ そんなものでどこを見ても偽物にしか見えなく…

No.167 洗濯物

草臥れたシャツがハンガーにかかるベランダにある洗濯機は黙っている陰気な空で 健気な夢が わだかまりから 絆され 解けて 部屋干し日和 そしてまた一人数えやすい友人の顔をハンガーにかけて 黙ったままでわかりやすい記憶を探す もしも 借りた部屋の壁に夕…

No.166 街の影

煌びやかに彩られている街 着飾る人々その中に薄汚いコートを着た男が立つ虚ろな瞳で彼は何を見ているのだろうそれは誰にも知られることのない真実 かつての彼は…などと語る人もいないぼさぼさの髪を掻き毟りながら独り言誰に対してというわけでもない悪態に…

No.163 poetry

ノートは綴る詩は いつもと違う ましてや 丁寧に 慎重に 綴る詩は もっと違う 便利でない この 頼りない脳が全てまかなう どんな字体に寄せても 結局は同じ僕が綴る 埋め尽くされる空白に 名残など無く 淡々と過ぎる時間にも 名残など無く 窮屈な この頼りな…

No.162 ミルクチョコレート

夢の中で食べたチョコレートミルクの味が濃かった何度か食べた味で「またこれか」と感じていた ピーナッツのような小さな思い出のかけらと一人きりのままの自分といつかは一緒だった家族が 夢の中ではバランス良く配置されていたから僕は打ち明け話をした今…

No.160 冬は過ぎて春になる

愛では語り尽くせない気持ちを円に近い多角形のような気持ちを長い長い小説の最後までのページのような気持ちをそのページをゆったりとめくってゆく気持ちを 君に伝えられたらどれだけ幸福なことだろう僕は何に関しても遠回りでやけに難しい言葉ばかり吐いて…

No.159 何よりも大切な時間

なんでもない朝に盛大にクラクションが鳴った僕は雨の降る街から隠れるように眠る君の隣で煙草を吸っている 穏やかに流れる朝の時間がもう少しで溶けて消えてしまうからより近付いて君を覚えていよう今日の夜にまた出会える時まで 二人で暮らすには狭すぎる…

No.157 森の人

重なり合う光の中で呼吸する 木漏れ日はいつも優しい獣の死んだ匂いのする森の中で 何故こんな気持ちになるのだろう 焚き火の火が消えている灰が風に舞っている少しだけ故郷が恋しくなり遠くの山をじっと眺める 誰の声も聞こえない自然は そこにあるだけでこ…

No.156 徘徊者

ネオンの響く街があった音が眼前に広がり 耳は咀嚼した一人の男はスーツを着てその街に革靴の音を取り入れた 悲しみが乾いて消える前に「もっと近くに来てくれ」男は抱き寄せた思い出と共にいつまでもいつまでも歩いていた 激しい雨の後 直射日光で干上がっ…