2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

No.97 街

なんやかんやで 辿り着いたら そこは東京 眠らない街 とは程遠い 眠る街並み 山がそびえる 鳥は鳴き出す 虫の音色に 寝つきは悪く 犬の遠吠え 寝起きも悪く 緑と青の コントラストが うざったいから 目を閉じている 狡い言葉を くれた貴方に あげる言葉は 「…

No.96 パーツ

奪われた物は全て数え与えられた物を全て捨て夢みたいな言葉を重ねて憂鬱なことは全て忘れ 辞めちまいたい 僕を仕舞いたい嘆きの燻製 煙草に火を点ける冷めちまいたい 僕は発火して過激な恒星 燃えて光り続ける 盗まれた物を全て数え盗んだものは全て売り飛…

No.95 幻想(街灯の夏仕様)

夏に揺れてるそびえるビルを遠く見つめてるこの瞳の奥で移ろいゆく時間だけが音を立てて刻まれている 声を潜めて気付かれぬようにひっそり一人捕まらぬように誰に祈る訳でもないのに誰に救われることもないのに 気が付けば夢見た景色夢見た人々 忘れたはずの…

No.94 彼の泉

ふいに美しい声がした 彼はその声の元に歩いた ふとしたことを思い出した その日は日曜で空は曇っていた ガラスに亀裂が走り 「ふとしたこと」以外は忘れ去り そのガラスの中に入っていた水も 飼っていた魚も何処かに溢れた 美しい声はやはり消えた 彼にはわ…