2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

No.144 無題

からからと 音を立てて 転がる空き缶 風が強く 少しだけ分厚い上着で 誰もいない山道を通る このまま土に帰るまで 木の下で 眠っていたい 誰かへの思いだけ残り 空気の中に 溶け出して やがて昇って行くだろう 寂しさも紛れゆくだろう 僕のこの思いが 透明に…

No.143 おろかもの

たくさんの頭で考えていた たくさんの景色を思い出していた 少年と少女は 手を繋ぎながら 辿々しく ただただ 歩いていた 目まぐるしく流れた日々に 石を投げても自分に跳ね返って来て 硝子は割れることなく 少年と少女は 狭苦しい場所を歩いていた 言葉だけ…