2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

No.157 森の人

重なり合う光の中で呼吸する 木漏れ日はいつも優しい獣の死んだ匂いのする森の中で 何故こんな気持ちになるのだろう 焚き火の火が消えている灰が風に舞っている少しだけ故郷が恋しくなり遠くの山をじっと眺める 誰の声も聞こえない自然は そこにあるだけでこ…

No.156 徘徊者

ネオンの響く街があった音が眼前に広がり 耳は咀嚼した一人の男はスーツを着てその街に革靴の音を取り入れた 悲しみが乾いて消える前に「もっと近くに来てくれ」男は抱き寄せた思い出と共にいつまでもいつまでも歩いていた 激しい雨の後 直射日光で干上がっ…