2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

No.79 移りゆく

鼻白む君の顔に終わりを感じていたのかただ退屈な時間が終わりを伝えていたのか あの頃の僕の言葉は君の感情を乱してあの頃の君の言葉は僕の感情を壊して 移りゆく季節とは裏腹全く変わらない気持ちとは縁を切りたいのにバラバラに千切れそうな切ない気持ち…

No.77 水面はいつも穏やかに佇み

詩人は釣り人と似ていると彼は言ったひたすらに待ち続け 針にかかるのを待つしかない詩人と釣り人の違いは釣り上げたものがどんなガラクタでもそれを愛せるか愛せないかだ詩人はガラクタを愛することが出来るガラクタを愛せない詩人はただの釣り人だ針にかか…

No.72 石になったガム

吐き捨てたガムがコンクリートに張り付いて石になるそれを見ながら彼は人を待つことに飽き始めている 吹き荒ぶからビルは傾いて見え傾いているから彼は落ち着くポケットにしまったライターを取り出し煙草に火をつけると涙をこぼす さあ うちに帰ろうかあても…

No.71 詩人の詩

朝早くに小鳥のさえずりが聞こえて冷えた部屋の床に足をつけるありふれた日常とありふれた寝不足でふらついた思考は時間の波間を漂う おかえりとただいまを同時に言えたなら僕はこの部屋から出なくて済むのに電気を付けて寝癖を直しながら自分の中で何かを殺…

No.68 夢の住人

遠い昔 夢を見ていた少年は 今はもういない悲しいけれど 事実を歌う私はきっと 夢の住人 遠い景色 眺めていても少女には 何も見えなくて寂しいけれど 事実を歌うあなたはきっと 夢の住人 少年と 少女には私たちは もう見えなくて切ないけれど 事実を歌うやが…