No.251 愛の詩

 

 

愛について詩を書こう

僕はそう思って文章を考えた

すると何も浮かばない

僕は愛をそれほど持ち合わせていないのかも知れない

 


詩人は愛を書くものなのだろうか

一遍や二篇は必ず書く決まりなのだろうか

僕が書けることと言ったら

行動から起こった現象くらいしかない

 


映画を見に行ったり街をぶらついたり

その中にも愛する心は必ずあるのだろう

けれど無くてはならないものでもなく

愛する人はどこへ行っても幸せならそれで良い

 


そんな僕のことだから勘違いをされやすい

妻はいつも不安そうだ

素直になれないだけではない ぽっかりと空いた穴

その深さや広さに足を取られそうになるだけだ

 


愛とは何かいつも考える

それでもすぐに飽きてしまう

愛は伝えることが出来ない部分が肝心だ

それでも伝えたいと悩む

 


心は囚われたままだ

僕は幼すぎて弱い

男でも女でもない

もしかしたら人間でもないかも知れない

 


だとしたら何か

そんなことは知ったことではない

虫ケラでも好きに呼んで構わない

ただ僕は愛の詩を書きたかっただけだ