No.232

 


悲しくて涙が枯れた

手を伸ばして 掴もうとする影

涙の代わりに笑うと

影は消えてゆく 手を引き戻す

 


雨に濡れた服も気にならない

まぁこんなものなのだろう

愛を語れるほど大人ではない

愛を信じるほど子供ではない

 


全てくだらないと言ったあいつは

くだらない時間の中で生きている

こっちはきっと あいつよりも

くだらない時間の中で生きている

 


身体を重ねて何になる?

愛と恋の違いなど何になる

それは悲しみに比例するだけで

本当の傷にはならないのに

 


深い深い悲しみが涙を枯らすと

古ぼけた思い出は砂になって

そこにピラミッドと同じ形の

プラネタリウムがぽつんとあるだけ