No.585 クルーは今日も怠け者!

 

 

体調を崩した時計が 彼を起こさなかった

昼に起きては もう夜まで寝てしまいたい

そう思いながら ウトウトしていると

宇宙船の外で 爆発音がした

 


穴はバルーンですぐに塞がったようだ

中にあった本が数冊溢れて

銀河の果てへと漂うだけで

一番大切な本は枕元にあった

 


クリーミーを飲みながら

大切な本をパラパラとめくった

眠気は本と一緒に宇宙に行ってしまったので

彼は適当なページから読むことにした

 


「今日も平常運行です」

アナウンスが 彼に平穏を伝えた

慌ただしく働く船員たちは

物置に隠れる彼を 見つけることはない

 


クリーミーがなくなると

パックをそこらに投げ捨てた

ちょうど物語は終盤に差し掛かっていた

何度も読んで端が破れた本をめくり続けた