No.598 シェイカー!

 

 

涸れた喉を潤して 彼は溶けて消えて

水が流れて 吐き出され 掃き溜めの中へ

許されない罪を数え 引き金を探せ

夜は長くて短い ジーンズのポケット

 


スモーキーな街に現を抜かし

出迎えるあいつのニヤケ面

裸の女たちの行進を眺めては

涎を垂らす良い加減な奴ら

 


彼は全てに敵意を剥き出して

流れ着いた排水溝の中

悪態吐きながら フラスコを振って

自分を一滴 薬品に垂らした

 


モクモク上がる蒸気で 緑色の毒で

街中の奴らが 彼のように水になった!

洪水の警報は 誰にも聞こえない

混ざり合い過ぎて 誰が誰だかわからない!

 


「ふざけるな 俺はただ一人で

 二日酔いと寄り添って生きたいだけだ

 ふざけるな お前らを道連れになんて

 してやるものか してたまるか」

 


結局のところ 彼はわかっていた

自分には何が足りないのかを

奴らと彼の意識が混ざり合う時には

街は水に沈み 彼は誰でもなくなった

 


飲み込まれて 飲み込んで

混じり合うと 刺激が走った

かつて人だった水は

街を飲み込み 誇らしく笑った