No.545 首を締められたい男
彼は自分で首を締めてみた
しかし いつものようにはいかなかった
他人に締めてもらわなければならない
暇そうな女の連絡先を眺める
女はすぐにやって来て
彼が良いというまで首を締めて帰った
唾液が枕を濡らして
突拍子もない時間は過ぎ去っていった
彼はまた別の女に首を締めてもらいたくなった
やはり その女も十分も待たずにやって来て
馬乗りになり 彼の首を締めて笑った
「本当にどうしようもない クソ男だよ」と言った
彼の首にはアザができていた
何重にも重なった女たちの細い指は
彼に冷酷な快感だけを与えて
すぐに離れていった
彼は また自分の首を締めてみた
今度は 何度か絶頂に達した
(もう一度 )と本気で締めてみた
そのまま 彼は永遠に眠った