No.122 いつかの君
僕は君に手を引かれて
嘘みたいに晴れた小径を歩く
木の葉が太陽に照らされて
ゆらゆら揺れているから僕は眠くなる
君が教えてくれたアイスは美味しい
君が連れて行ってくれた場所は楽しい
だから僕は眠い目をこすって
君の手を握りしめて歩いて行く
僕よりも大きな君は女の子
僕よりも年上の女の子
二人でいると不思議な気持ちで
太陽に照らされて
君が目指す場所について
そこにある綺麗な川で泳いだ
メダカを手で掬ってすぐに水に戻して
君が笑うからそれを繰り返した
君は夕暮れになって
家に帰ろうとするから
僕は仮病を使って
君を引き止めてしまった
すっかり暗くなって星が出て
二人で河原に寝そべった
背中に当たる石たちが
少し痛くて少しくすぐったかった
いつの間にか朝になり
嘘みたいに晴れた河原で
君の手を繋いで
また僕らは歩き出す
そうして君は家に帰らずに
僕と一緒に居てくれた
嘘みたいに晴れたベッドで
眼が覚めるまで居てくれた