2017-01-01から1年間の記事一覧

サイトに載せた詩 No.1

サイトの方に詩を載せたのですが、ブログにもその詩を載せようと思います。 サイトの行き先がわかるかたは、サイトの方も遊びに来て下さると凄く嬉しいです。 poetry 【1】 静まった街に群れとはぐれた男が一人何もせずに地面ばかり見ている彼に空ばかりが話…

No.121 六時

毎朝六時に目覚めて部屋の掃除をする彼の心の中は散らかったままだったがこの行動で少しだけ整理されていって有意義に時間を活用していると感じる 彼は寝つきが悪くて身体を壊していたもう少し眠る方が良いのかも知れないだが埃が徐々にちりとりにたまる度に…

No.118 あなたの夢

夢を見ていた それはそれはグロテスクな夢を ただあなたはそこで微笑んでいて わずらわしいことから全て解き放たれて ウジに食われていた それはきっとテレビ番組の影響で カメラに切り抜かれた悲惨さを頭が覚えていたからだろう だから目覚めた時にそれを悪…

No.114 pulp

俺は素足でフローリングの冷たさの上でクタクタになったTシャツを着ていた 耳の中が腐ってしまうほど突き刺したイヤホンが苦しそうにもがいている フローリングの冷たさを感じながら耳掻きでゴソゴソと相談していたら 聞き慣れた声が俺のことを呼んでいると…

No.113 遠くに行きたい

悲しみを追い越して寂しさを誤魔化して耳の中から頭の中へ脳の中から頭痛の元へ 車の免許も無いくせに君と海まで行きたいんだバイクの種類も知らないけれど君と遠くに行きたいんだ 馬に乗って 星になって風が吹いて 僕を運んで君を待って 寄り添って手を繋い…

No.112 性の船

涙も出ないほど悲しい性 夢も見れない苦しい性 妄想の中の抑え切れない性 やがて沈みゆく船のような性 どれも同じ人物の中で同じように収まる性 コップから溢れそうな水の上を悲しさや苦しさを抑え切れない船に乗る 性はまとわりつく衣のようで汗を吸わない…

No.111 短い散歩

気取った花が語りかける「そんな顔をしてどこへ行く?」寝不足で白い顔の僕は答える「君のいないところに行くさ」 湿ったアスファルトが濃い灰色で不貞腐れている水溜りは鏡のように雲を映し僕の不機嫌な靴を描いている 切符を買っても宛先知らず電車に乗っ…

No.110 落書

ガラスの中の観葉植物が土に反抗する時は鳴り止まない電話を切るように眠れば良い 蛍の光が届かない夜になったらペットボトルの中に水を入れて猫を避ければ良い 方位磁針の気まぐれを聞き過ぎて飽きたらオイルの切れたライターを擦り続ければ良い 灰になった…

No.106 シケモク

湿気った煙草は重苦しくて美味い 悩ましい考えごとの結果は意味も無い スクラップブックのようなアルバムの 行けなかった卒業旅行が煙になる 笑顔だらけ切り取って貼り付けて 良かったなんて思えるはずも無い 全て雨に濡れて湿って錆びて仕舞えば良い 屑鉄の…

No.104 顔のない僕

何者でもないと嘆く時 何者かが僕を戒める 「格好良くない みっともない」 それじゃ僕は行き場がない 何事でもないと信じても 何事かは起こり続けて 「愛想良くない 君を見たくない」 それじゃ僕が生きられない 小さな小さな 部屋に閉じ込めた方が 簡単に素…

No.103 陰干し

疑問符ばかりが張り付いて 君の顔は強張っている 跡形もなく消し去りたい その疑問符を剥がしたい やけに思い出が重なるから ミルフィーユのようにフォークで切って その切り口の見事さを笑って 君と平らげてしまいたい 君に出来ることを数えて 僕が出来ない…

No.102 宙に浮かんで

酒に頼ることも出来ずに 自堕落を気取ることも出来ずに ただただ寝れずに図に乗るばかり だらだら汗だけ垂れている 矛盾は無限に広がってゆき やがて覆い尽くす満天の星 夢見るだけ夢見た後は 夢見たことを恥じている もっと単純におろそかに出来たなら 僕は…

No.100 8/6

白と黒では決められない偽善の色は透明な灰色で吐いて捨てるような煙と包まれた布のような言葉 太陽に照らされて火照るアスファルトに手を当て目玉焼きを頭の中で作る熱さと痛みは歪んでゆく どうしようもない人々のどうしようもない気持ち何を考え何を感じ…

No.99 地面の穴

儚く崩れる地面 奈落を覗き込めば 輝く思い出たちが 暗闇を照らしている 飛び込めばもう戻れない 時間が止まり動けない 躊躇する間も無く 足は沈み埋もれてゆく 駆け出すと地面の穴は 遠く離れていった 振り向くとそれは ただ陽炎のように揺れて あの暗闇を…

No.97 街

なんやかんやで 辿り着いたら そこは東京 眠らない街 とは程遠い 眠る街並み 山がそびえる 鳥は鳴き出す 虫の音色に 寝つきは悪く 犬の遠吠え 寝起きも悪く 緑と青の コントラストが うざったいから 目を閉じている 狡い言葉を くれた貴方に あげる言葉は 「…

No.96 パーツ

奪われた物は全て数え与えられた物を全て捨て夢みたいな言葉を重ねて憂鬱なことは全て忘れ 辞めちまいたい 僕を仕舞いたい嘆きの燻製 煙草に火を点ける冷めちまいたい 僕は発火して過激な恒星 燃えて光り続ける 盗まれた物を全て数え盗んだものは全て売り飛…

No.95 幻想(街灯の夏仕様)

夏に揺れてるそびえるビルを遠く見つめてるこの瞳の奥で移ろいゆく時間だけが音を立てて刻まれている 声を潜めて気付かれぬようにひっそり一人捕まらぬように誰に祈る訳でもないのに誰に救われることもないのに 気が付けば夢見た景色夢見た人々 忘れたはずの…

No.94 彼の泉

ふいに美しい声がした 彼はその声の元に歩いた ふとしたことを思い出した その日は日曜で空は曇っていた ガラスに亀裂が走り 「ふとしたこと」以外は忘れ去り そのガラスの中に入っていた水も 飼っていた魚も何処かに溢れた 美しい声はやはり消えた 彼にはわ…

No.93 紫煙

575

煙草の火 当てた手のひら むず痒い 穴が空くほど 灰皿代わり フィルターを 噛み潰すたび 気が狂う 葉っぱを噛めば 正気に戻る 成人に なる直前は 生きた肺 なった途端に 燻製の肺 日が照った 鉄の熱さで 火を付ける 血の味すると 少し微笑む 栄えてる 街並み…

No.90 ハキダメ処/2

575

落書きで 赤のクレヨン 使い切り 黒く濁った 血を描き出して/ 深爪の 痛みで目覚め また眠る 繰り返しても 朝は遠のく/ 蝉の声 五月の晴れに 鳴りだして こびり付いたら 朝にうつむく/ 「忘れない」 この痛みにも 意味がある そう信じても 何にもならず/ 脳…

No.87 ハキダメ処/

575

カーテンの 裾からさした 陽の光 浮かぶ埃と 晴れぬ心と/ 夢の中 逃げれば少し 楽になる 悪夢にもなりゃ 覚めて安堵し/ 窮屈な ベッドの上で 苦しがる 横の女は いまだ寝ている/ 飲んでいる コーラを全て 捨てたなら 流しのにおい マシになるかな/ 暗がりに …

No.86 Untitled

静寂を破ってどうしようもない罵声を浴びせられるようなそんな気分になる午後 電子音の波がイヤホンから聞こえる地を這うような低音が鼓膜を揺らす誰よりも惨めで残酷な運命を抱いて何処かに辿り着くまで穴を掘るような音 誰も知らない秘密を持っている誰に…

No.79 移りゆく

鼻白む君の顔に終わりを感じていたのかただ退屈な時間が終わりを伝えていたのか あの頃の僕の言葉は君の感情を乱してあの頃の君の言葉は僕の感情を壊して 移りゆく季節とは裏腹全く変わらない気持ちとは縁を切りたいのにバラバラに千切れそうな切ない気持ち…

No.77 水面はいつも穏やかに佇み

詩人は釣り人と似ていると彼は言ったひたすらに待ち続け 針にかかるのを待つしかない詩人と釣り人の違いは釣り上げたものがどんなガラクタでもそれを愛せるか愛せないかだ詩人はガラクタを愛することが出来るガラクタを愛せない詩人はただの釣り人だ針にかか…

No.72 石になったガム

吐き捨てたガムがコンクリートに張り付いて石になるそれを見ながら彼は人を待つことに飽き始めている 吹き荒ぶからビルは傾いて見え傾いているから彼は落ち着くポケットにしまったライターを取り出し煙草に火をつけると涙をこぼす さあ うちに帰ろうかあても…

No.71 詩人の詩

朝早くに小鳥のさえずりが聞こえて冷えた部屋の床に足をつけるありふれた日常とありふれた寝不足でふらついた思考は時間の波間を漂う おかえりとただいまを同時に言えたなら僕はこの部屋から出なくて済むのに電気を付けて寝癖を直しながら自分の中で何かを殺…

No.68 夢の住人

遠い昔 夢を見ていた少年は 今はもういない悲しいけれど 事実を歌う私はきっと 夢の住人 遠い景色 眺めていても少女には 何も見えなくて寂しいけれど 事実を歌うあなたはきっと 夢の住人 少年と 少女には私たちは もう見えなくて切ないけれど 事実を歌うやが…

No.65 懺悔に似た回顧

…これは現実にあった話を基にしている… 僕いや僕の家族はきっと僕が生まれた後の数年だけが幸福だった 僕には兄がいる兄は幸福だ何故なら僕が生まれる前までは両親のまともな愛を独り占め出来たのだから 僕は一人遊びが好きで父親は「お前は一人で遊んでしま…

No.58 断片集

575

布団には 詰まった麻薬 秘めやかにバレることなく 起きることなく 常夜灯 暗がり欲しさ 水欲しさ乾いた喉に 薄暗い糸 画面割れ 顔が二つの 著名人やけにいらつき 電源を消す 小鳥鳴く 電線の上 曇り空感電死した 幻想覗く 今月の 給料袋 破り捨て家計簿捨て…

No.52 ミア・ウタモチ

物言わぬロボット 私の恋人だ 名前はミア・ウタモチ パルプフィクションから拝借した名前だ 彼女の外観は黒髪のショート スレンダーで統率の取れた体型 当たり前のことだが歩くのはぎこちない 人肌の感触のゴムを使っている 私はこのロボットを完成させるの…