No.104 顔のない僕

 

何者でもないと嘆く時

何者かが僕を戒める

「格好良くない みっともない」

それじゃ僕は行き場がない

 

何事でもないと信じても

何事かは起こり続けて

「愛想良くない 君を見たくない」

それじゃ僕が生きられない

 

小さな小さな 部屋に閉じ込めた方が

簡単に素直に楽になれるのに

大きな大きな 世界というものの方が

難解に複雑に魅力的に思う

 

何にでもなれると言われても

何にもなりたくない僕は

「わかりあえない 伝えられない」

それじゃと言って去りたい