2020-05-22 No.442 新しい宿をさがしに 最高の皮肉を言って彼は出て行った あらゆる愛しい物が置かれた部屋から 最低な気分は後ろめたさと踊った 苦しがる昨日までの日々も一緒に 明日からは何が起きようとも 彼が驚くことはないだろう 全てを知ったようなフリをする 限りなく死に近い者よりも 街はやけに激しい 彼の鼓動は取り残される 部屋に戻りたくなる気持ちを 必死に刺して歩く ルミネの前で暇人に蹴られた ユニクロに入り浸る観光客に肩を当てられた 巨大な映画館でポップコーンをかけられた ぼろぼろになり 彼は世界堂に助けを求めた 誰も彼を知らなかった 彼も誰も知らなかった 部屋に戻りたくなる気持ちはもう死んだ 彼は煙草の吸える喫茶店で休んだ