2020-06-18から1日間の記事一覧

No.497 ぼんやり

似合わない高い服を買って クローゼットに仕舞ったままだった 彼は臆病風に吹かれながら 安っぽいスーツを着て 日差しを浴びに行った 街ではまともそうな顔で 同じような スーツを着ている奴らが急いでいた 交われない絵具になってしまったように 彼は表面を…

No.496 彼と空き缶!

空き缶を蹴っ飛ばして 行き着く先で立ったら 今日は良い日になると信じていた彼は 転がり 草むらへと向かっていった空き缶を 恨むことでしか 自分を保てずにいた 寝そべったままの 自分の中にあったはずの あらゆるスパイスのような感情を捨てて ただただ の…