No.169 ・

 

ぷちり ぷちり 千切れ 途切れ
悲しいほどに 通信は途絶え
ただただ 時間 そして 空間
一人でない時でさえ 一人に怯える

 


凍てついて
窓の外はきっと雨模様
部屋の中の常夜灯を
もう少し暗くして待ちたい

 

雨の上がる瞬間
晴れ間がそっと見えて
雲たちが忘れ物を取りに行くように
太陽から離れていって

 

そんな光景を
もっと間近に見たい
空を飛べないのなら
せめて映画館のような部屋の中で

 


のそり のそり 忍び 及び
鉄球のような 何かが近寄り
ただただ 思索 そして 無策
捕まって仕舞えば あとは食われる

 


そっと掲げる
心の中の闇に抵抗するために
自分で作った旗を
風の無い場所で 掲げる

 

雨は止まない
そして 常夜灯に目を焼かれる
冴えてきた頭が 昨日の痛みで
騒ぎ始めたので とても 息苦しい

 

そんな感情に
揺れ動かされて 旗ははためく
そして 何処かへ飛ばされそうになる
せめて誰かの手のひらに飛んでおくれ