No.152 先輩

 

焦らし過ぎて 飽きてしまい

それでもなお 焦らしたがり

あいつの顔と こいつの顔を

足して割って 引いてかけて

 

足についた 画鋲の傷が

心地良いから 鼻歌歌う

あの子の瞳と あの子の身体

天秤にかけて 身体を捨てる

 

ロッカールームに 足跡二つ

靴底型に 凹んだようで

嫌われている 自覚をすれば

嫌うことなど 造作もなくて

 

だから彼は 皮肉を言った

だから彼は 全てを憎んだ

だから彼は 友人を見捨て

泥で塗り固めた顔で 平然としている

 

我が物顔で廊下を歩く奴らに

食らわせる  視線の弾丸を

借り物の言葉で武装する奴らに

食らわせる  正当な散弾を