No.291 game over
銃を片手に乗り込むワゴン
素晴らしい陽気外れた予報
不規則な街に一発撃ち込む
そこから見えた彼らの母校
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長すぎるロードを過ごし
彼らは遅すぎる春を待つ
未来に宛てた過去の手紙
届かなかった夢だけ並ぶ
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コントローラーを 誰かに取られてしまった
選択肢は 沢山あるというのに決められない
俯く彼らのそばにあるものは 退屈な空気と
食い散らかした弁当の残骸と 割り箸だけだ
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そして何発かが 撃ち込まれた後に
彼らは やっと諦められたのだろう
もう遅すぎる レベルは上がらない
セーブポイントも もう意味が無い
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やり直してもやり直しても 同じ結末になる
不規則な街は 外れた予報の中で今日も建つ
HPは赤のままで 点滅を繰り返す瞳の奥で
やがて0になるまで 過ぎてゆく時を数えて
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彼らは銃を構え続け 慎重にワゴンに乗り込む
反動で痺れる指で アイスのようなドアを開け
煙草臭い車内で 攻略法を得意げに話している
窓ガラスが散らばり無音になる その瞬間まで
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