うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所

No.226 museum

 

 

絡まり合う視線 膨れ上がる肖像

擦れ合う息 物言わぬ見物人

コンクリートの上を歩く

綺麗に避け合い 縫うように

 


隠れんぼをしている子供たちがいた

迷子になった子供のアナウンスが聞こえた

紀元前の子供たちの彫刻があった

色彩豊かに殺戮される人々の絵の下に

 


空はパレットだ 雲は絵の具だ

筆で一つずつ 塗りつぶしてしまおう

ここには何も無い 見物人もその子供たちも

全て白くしてしまえば良い

 


そうして 青く澄み渡る空が広がる

白い絨毯の上に彫刻や絵がある

色彩豊かに殺戮される人々の絵の前に

僕はぼんやりと突っ立っている

 


紀元前の子供たちの彫刻は

間違えて白く塗られてしまったらしい

それでも 初めのうちは気付かなかった

そのまま ずっと同じ絵ばかりを見続けた

 


やがてパレットに絵の具が染み出した

それは透明の水となって降り注いだ

白は流れ また人々が歩き始めた

僕は 上手く避け 縫うように去っていった