うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所

No.224 主人公

 

 

口笛を吹いている

彼はまた笑っている

両手を広げている

大して意味も無いのに

 


動き出した読み手の

息遣いに合わせても

ページをめくってみても

彼は同じ場所にいる

 


口笛を吹きながら

彼はまた笑っている

真似が出来ない芸当

ずっと目を見開きながら

 


生まれたての感情

その旋律に触れても

変わらない彼は笑う

何かを押し殺したまま

 


口笛を吹き続け

彼はまた笑っている

居場所が無くなっても

彼は笑い続けている