うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所

No.211 絵描きのお絵描き

 

 

筆を取る子供たちの指が 絵の具を弾いている

服に付いたことも気にしていない

ただ白い場所に 色を乗せるだけで良い

 


僕は 茶色い椅子に座って見ていた

その光景に飽きは来なかった

夏になろうというのにカーテンも閉めたまま

部屋に閉じこもるのも悪くはない

 


筆を取り子供たちの顔を 描いてみようとしても

乱雑に乗せられた色には敵わない

ただ白い場所が 消えてゆくだけで良い

 


僕は 茶色い椅子の上でカメラを構え

子供たちを撮ることにした

外へ遊びに行かせることにも特に意味はない

子供たちが描く絵にも意味はない

 


筆を取り 子供たちの名残が残った部屋の中で

新しい絵を描こうとした時には

ただ白い場所を 消してゆくだけで良い

 


僕は 茶色い椅子の上で筆を走らせ

チューブから出した絵の具たちを混ぜた

煙草の煙が目に入ったとしても気にせずに

キャンバスの上にそれを乗せるだけで良い