うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所

No.210 穴の空いた身体

 

 

目を閉じると不幸な自分が見える

不幸さを笑う他人も見える

見て見ぬ振りした奴らも見える

それを眺める自分すら見える

 


全てが思い通りの空想の中でも

僕は僕の檻から 抜け出せたことはない

いくら気取っていても 筒抜けのようで

穴だらけの身体に また穴が空く

 


不幸さを嘆くと安らぎを覚える

幸福さを噛むと不安定に揺らぐ

穴だらけの身体を使って

戯けて見せるのも難しい

 


僕が一番 怖がっている僕が

僕が一番 軽蔑している僕に

毎日 唾がかかるほど怒鳴るから

深夜になっても眠くなれない

 


僕は檻の中で また穴が空き

一日に何個も空いてゆくから

呆れた僕にからかわれるけど

そいつも僕と同じ穴が空いている

 


朝になったら眠気も訪れ

昼までそいつに足を取られる

悲しいことに寝起きはいつも

死体のように身体が重い

 


現実の僕の身体にも

穴が開けば良いと 心底思う

その穴に紐を通して

誰かに操られる方が楽だ

 


そうすれば 誰の目も気にせずに

人形のように 動けるというのに

どうやら僕は頑丈に出来ているらしい

簡単に他人に委ねることも出来ない