うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所

No.207 仮面・子供たち

 

 

車の外で仮面を被った子供たちが遊んでいる

僕は助手席に座りながらそれを眺めた

荷物を運ぶのにどれだけ時間がかかるのだろう

やらなければならない事はたくさんあるのに

 


仲間からの連絡でリーダーは待機を命じた

どうやら取引に問題があったらしい

国外の団地は地元のように親しげだが

仮面を被った子供たちがいるので見分けられる

 


スペインのカーニバルで被るその仮面を取れば

可愛らしい笑顔が見れるかも知れない

ただいくら楽しそうにはしゃいでいても

何らか儀式で踊っているようにしか見えない

 


大勢の仲間たちは退屈そうに車を降りて

煙草を吸ったり雑談している

取引の荷物が何なのかなんてことはどうでも良い

僕は焦っていた というよりも怖かった

 


仮面を被った子供たちの姿が

見えなくなるように願っていた

話しかけることを探してリーダーの方を向いた

後部座席の窓から仮面が二つ見えた

 


あとは覚えていない

いつのまにか病院の中に居た

リーダーが座っている

僕は真っ白なシーツに違和感を感じた

 


リーダーは言った

「みんな無くなってしまった」

彼の怯えて震える肩が音を立てていた

血だらけの車は外に置いてある