うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所

No.202 男

 

人通りの多い昼の街に

人見知りの男は歩いていた

心が奪われた昨日の夢の中に

車輪に擦れた一昨日の女が出てきた

 

百円で買った飴玉を舐めながら

笑いかけた女を映し出す星は

太陽に照らされて消えてしまった

男は気分が晴れるような気がした

 

要領の良さが 毛嫌いが 一緒に

苦しみが 慈しみが 人間味が 一緒に

  恋というものを 愛というものを

「捉えきれない」という言葉が 一緒に

 

掻き消され 男は進んだ

コンクリートを強く蹴り飛ばして

靴底に小石がめり込んでも 男は走った

そして通りかかった人々にぶつかった

 

人々は点になり 何処かへ消えていった

探していたものが何かわかった

 

だから 男はもう一度 夢を見る

 

夢が覚めることも

心が奪われて 去ってしまうことも

 

知りつつ