うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所

No.201 女

 

人のいない夜の街に

人影を探して女は歩いていた

心が奪われそうになった午前は

車輪に擦れた午後に殺された

 

百円で買えた時計を合わせて

笑いかけた男を映し出す星は

月に飲まれて消えてしまった

女は吐きそうになって座った

 

遣る瀬無さが 恥じらいが 一緒に

悲しさが 愛おしさが 切なさが 一緒に

  恋というものも 愛というものも

「取るに足らない」という言葉が 一緒に

 

とめどなく流れた 女は崩れた

コンクリートは予想よりも冷たかった

膝に小石がめり込んでも 女は沈んだ

そして通りかかった人影が近付いた

 

人影は二つになり 何処かへ消えていった

探していたものとは程遠かった

 

しかし 女は抱かれて 夢を見る

 

夢が覚めることも

午前が午後に殺されることも

 

知りつつ