No.198 誰かの愛

 

誰が誰を好むのかなど

誰も気にすることはない

何が何を望むのかなど

何も気にすることはない

 

彼は彼を受け入れるか

彼女が彼女を突き放すか

彼が彼女と手を組むか

彼女が彼を手放すか

 

そんなことなどちっぽけ過ぎて

何の役にも立ちはしない

そんなことなど捨てておけば

何の心配もいらない

 

この頃は 誰かの誰かへの感情が溢れて

僕の目に突き刺さり 心が沈む

愛など信じてはない 永遠などない

そんなことを信じても始まらない

 

誰かを愛することは容易く

誰かを憎むことも容易く

それほど価値のあるものではない

主張しても仕方ない

 

声を荒げる人々に

僕はいつまでも反発することだろう

愛する人々のことを

肯定しながらも 否定することだろう

 

そして僕の心もまた

誰のためにもならない

誰が誰を愛そうが憎もうが

そんなことは問題ではない

 

生きていかなければならない

苦痛は味合わなければならない

目をそらすことは出来ない

誰も逃げられない

 

勝敗など関係ない

死は平等に訪れる

それがとても怖くて

それがとてもとても幸福である