うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所

No.190 サイレン

 

涙を啜る音でサイレンの音を掻き消す

 

ひび割れた硝子の向こうで子供が遊んでいる

 

蛍光灯が死んでいる時は外も明るい

 

カーテンを閉めれば気になるものはない

 

シフトを書き込んだノートを眺めながら

 

黄ばんできた壁に もっと煙を吐き捨てて

 

啜った涙を洗面器に流して 部屋を見渡す

 

一人には広過ぎる 二人には狭過ぎる

 

喉の渇きを潤すために 熱湯を注ぐ

 

コップを腹に当てて 目を閉じて座る

 

サイレンの音がまた聞こえてくる

 

涙を流すために 音楽を流す

 

誰かを責めるための言葉を探す

 

意味も無く冷蔵庫を開けて 冷気を吸い込む

 

サイレンの音がまた聞こえてくる

 

サイレンの音がまた聞こえてくる

 

サイレンの音がまた聞こえてくる

 

サイレンの音がまた聞こえてくる