うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所

No.189 皮

 

人と人とを結ぶものがあるとすれば

それが言葉であることは明白だ

だから準備をしなければならない

継ぎ接ぎだらけでも まともに見えるように

 

君は身の丈にあった服を着る

はい と いいえ はポケットにしまっておけ

そして何より重要なのが

その服が受け入れられる色であるかどうかだ

 

君は奇抜になってはならない

出る杭を打たせて仕舞えば きっと潰れる

先端を隠しながらコートの裏に隠し

いざとなれば相手の靴を貫通させれば良い

 

君は皮を被るように服を着れば良い

自分の身体だと思えば可愛いものだ

そして相手によって着替えれば良い

けっして本当の皮を見せてはならない

 

君は言葉に支配された人のことを

信用してはいけない 何故なら

相手だって君のように本当の皮を見せない

いつだって服を着たままでいるのだから

 

君は皮を剥ぐ思いで 服を着れば良い

決して痛くは無い ただ慣れてゆくだけだから

君は皮をなめし革となれば良い

頑丈になれば どう見られようが構わないから

 

そして君は 自分の皮を忘れれば良い

その方が楽だ 忠告はしたぞ

革になるまで 腐ることなく鍛える

その方が幸福だ 忘れるな

 

私はそんなことはしないが

良い人間の皮を着て歩けば良い

私はまっぴらごめんだが

良い人間は好かれる その方が良い