うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所

No.188 センチメンタル

 

空になったペットボトルを潰そう

台所に積まれて 悲しそうだから

白紙に戻せないノートを千切って

懐かしい詩と 一緒に捨てよう

 

変わりゆく全てに思いを馳せるより

変わらないものの方が心地良いのは

きっと 忘れるために思い出して

思い出すたびに忘れようとするから

 

当たり前のことと笑って欲しいのに

愚かな人を笑うのは悪とされる

それならば一緒に泣いて欲しいのに

愚かな人と泣くのは嫌だと言う

 

気付かれ無いのならば

せめて遠く 遠くへ行きたい

青い海と青い空の間の

小さな島の 小屋に住みたい

 

空になったペットボトルの中に

煙草の吸殻 そして余ったコーヒー

白紙に戻せない思い出を千切って

懐かしい人と 一緒に捨てよう

 

 

考える夜は 眠れずに朝になる

解けた紐は 結ばれずに糸になる

小さな拘りを捨てきれないままに

台所の前で 蛇口の水滴を数える