うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所

No.182 夢追い人

 

初めての春が訪れた

生まれ変わる時は訪れた

話をしよう 誰とでも良い

僕は誰か あなたは誰か

 

オレンジの線の 電車の近付く音が

馴染みの駅で鳴り止んだから

ボタンを押して乗り込んだ

重たい鞄 引きずって 降ろして

 

前しか見えない 前しか見ない

そうなれたはずの 後ろ側を見る

電車の外の 流れてゆく街灯

数えながら 記憶も流れて

 

指輪の感触を確かめる

「僕はもう 一人じゃ無い」と

指輪に刻まれた笑顔が

「僕の全てで 大切な物だ」と

 

前しか見ない 前しか見えない

そうなれた今日という日

電車の外で 変わってゆく街並み

見つめながら 記憶に残して

 

言葉は諸刃の剣 ペンは折れる

約束は泡沫の声 届かない時もある

だからこそ 僕は書き続け 語り続ける

僕は誰か あなたは誰か と

 

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