No.168 空想癖

 

煙草を吸うと頭ん中ぽっかり空いて
どろどろになった思想が垂れ流される
日々の中で叩かれた臆病な心たちは
そんな思想が嫌いなのか目を背けている

 

ニコチン タール そんなもの全て嘘っぱちで
ただの紙 ただの葉っぱ そんなもので
どこを見ても偽物にしか見えなくなって
灰皿に落とす灰はきっと 床を汚している

 

どこかの誰か 知らない奴が寄越した茶色い封筒
何を巻き上げるか考えてみても 払うものはない
筋書き通り大人になって すっかり駄目になった
空想癖もここまで来ればベテランの域だ

 

ライターの音聞き惚れるほど燃やしてしまいたい
昨日までの出来事全て忘れてしまいたい
何処かへ行って何かを見て 涙でも流せたら
空想癖の空想もまた 現実になれるだろう

 

文字にならない記号で物語を作ろう
頭ん中 全て晒して 空っぽにしてやろう
頭蓋を叩いてドラム代わり ベースもギターも要らない
空想癖の思想もまた 現実に慣れるだろう