No.148 ・風と空と夢

 

絶え間なく流れる音楽が
震える鼓膜に傷を付けてしまう前に
何処か遠くへ消えてしまいたくなる
そして僕は風と話して空に夢を映す

 

縦線の無機質な建物が
たとえ大きな木々になっても
人は変わらず争っているだろうから
僕はうたた寝をしていよう

 

絶え間無く押し寄せる後悔を背負って
悲しいほどに重たくなるけど
僕は高速で移動しながらうたた寝をして
羊たちが押し寄せる海原の夢を見る

 

僕の夢が映された空を見て
誰も何も思わないかも知れない
争うことをやめたとしても
僕は誰にも見えないかも知れない

 

そうなれば僕はいよいよ風になって
あの雲たちと一緒に何処かへ消えよう
風はどこで生まれて死ぬのか
この目で確かめに何処かへ消えよう