No.142 永い独り
夏が終わり 安堵している
日の光に目が焦げることもない
永遠の冬 雪のない田舎で
僕はただじっとしていたい
冷たい外気に触れぬように
毛布にくるまって数を数えて
誰に咎められることなく
朝と夜を交わしていきたい
そして訪ねる人があれば
数十個ある鍵を開けて
「すこしキュウクツになったなぁ」と
狭い部屋の中で語り合いたい
世間から切り離されて
何もない部屋の中で
愛が生まれるなら そのままにして
夢を見るならば 毛布を分け与え
そんな毎日を
ただ過ごしていたい