サイトに載せた詩 No.1

サイトの方に詩を載せたのですが、ブログにもその詩を載せようと思います。

サイトの行き先がわかるかたは、サイトの方も遊びに来て下さると凄く嬉しいです。

 

 

poetry


【1】

 

静まった街に群れとはぐれた男が一人
何もせずに地面ばかり見ている
彼に空ばかりが話しかけて
雨粒を矢継ぎ早に降りかけるので彼は退屈だった

 

十二時を過ぎてまだ数分なのに
街はすっかり光を落としている
街灯が彼の背中を叩いて話しかけても
雨粒が彼の背中に降りかかるので聞こえない

 

空と彼はそれから数時間交流して
逃れられたのは明るくなってからだった
外ではまだ話し足りないのか
空が雨粒を硝子に打ち付けていた

 

彼が目を閉じると濡れた髪が引っかかる
額に手を当てて少し考え込む
そしてせっかく乾き切った服に着替えたのに
彼はまた外に出て行って空の話を聞く

 

空は雨粒ばかり話したが
やがて晴れると陽の光を話していた
彼はその話には答えられるので
服が乾くまで空と話をしていた