うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所

No.116 巣喰い

 

首筋が熱くなっても取り乱してはいけない
彼を笑う虫たちの歌が耳をつんざく時も

 

冷たい仮面を剥ぎ取れば
優しい彼の顔になる
彼の顔まで剥ぎ取れば
夢見心地で肉になる

 

血圧が高くなっても取り乱してはいけない
彼を追う虫たちが歌を歌うことをやめても

 

熱い破片を取り除き
優しい彼の糧になる
私の顔は彼の顔
夢見心地で彼になる

 

私が蟻のようになって這い蹲り

彼の足元へと進んで行けば

ただただ踏み潰されるだけ

後にも先にも何も無い