うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所

No.115 野良猫

 

へらへらと笑う休みがちな太陽が

雲の切れ間から調子に乗っている11時半

ボンネットに乗った野良猫が訝しそうに

僕の頭の中を覗き込んで その汁を吸いたがる

 

中途半端なラブストーリーの後に

ぶっ飛んだファンタジーを描いている

中途半端なサスペンスの中に

ぶっ飛んだギャングたちが騒めいている

 

僕は吐き気を覚え 手足の痺れを感じる

太陽に痛みつけられているからだ

昨日見た中途半端な映画のワンシーンと

昨日見たぶっ飛んだ夢のワンシーンが混ざる

 

粉々になったものをパズルのように合わせて

一枚の絵に仕上げている最中の頭の中

それを野良猫は食い入るように見ている

最早 僕は単純な映写機とスクリーンになっている

 

何を話しているかも どこの国の言葉なのかも

わかるわけもない音楽を大音量で垂れ流しながら

指だけを動かして記録する奇抜な色々は

美しく儚く腐り切っていくから汚らしく気持ち良い

 

颯爽と駆け抜けて行った午前

鬱蒼と生い茂り のろのろとした午後

ふざけた空想の中を読む野良猫の名を借りた僕は

ボンネットの上で太陽を睨みつけている

 

野良猫は澄ました顔で服を着ている

そして僕を訝しそうに見つめながら

時間を見て慌てて駅に向かう

電車がホームに着いた音が遠くから聞こえた