うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所

No.92 曇り空とアスファルト

 

暗い朝に吹く風

午前十時になっても雲は
重たく広がり灰色を落とす

アスファルトを反射しているようで
空と地面に挟まれて息苦しい

二つの思いに押し潰されて
死んでしまった昨日の気持ちのようだ

僕は有名な小説の台詞を思い出して
その主人公と同じように孤独を味わった

結末はいつも報われないものばかり
僕はそういうものを好んで選んでいた

それに気が付くと
挟まれて息苦しいのにも納得がいく

全てを受け入れて痛みを忘れれば
アスファルト色の曇り空も
曇り空色のアスファルト

大した問題ではないと感じて
前を見て歩き出せる気がする

しかし物凄い速さと音で通り過ぎる車に
芽生えたばかりの気持ちが摘み取られ

吐き捨てられた排気ガスの横で
今日も死んだ気持ちが横たわる

皮肉を言う元気さえあれば良いのに
皮肉なことに身体だけは丈夫なままに

心の方はやつれて見る影も無くなって
やがて身体とは別々に
歩き始めるような気がしてならない