うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所。

No.89 喫煙所

 

ビルとビルの間では

風が強いと聞いた

鼻に煙が入る事なく流されるから

煙草を咥えたままでいる

 

のんびりとした毎日だ

特に何に追われる事もなく

ただこなしているだけの日々だ

特に何から逃げる訳でもなく

 

たまに大きな何かに

追われてみたいと思う

そんな大きな何かから

逃げ出してみたいと思う

 

取るに足らない痛みの傷を

さすり続けてみたものの

痛みが紛れてゆくだけで

忘れてゆく事に慣れるだけで

 

つまらない 金がない

そんなことを呟くことにも飽きて

僕はただ煙草を咥えている

煙を吸うことも忘れて咥えている