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うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所。

No.84 密生

 

いつまでも同じことを繰り返している
森に完全な死を待つ兵士たちが彷徨う
それに群がる蟻に食い破られた肉体は
食料になりつつ森の養分になってゆく

 

鮮やかな青と深い緑と黒に近い赤には
それぞれの世界が完全に別物のような
逆にその世界が一つに交わったような
言葉には変えられない雰囲気があった

 

彼らの銃声が鳴り響く夜中は目が冴え
川の流れる音が聞こえる場所に歩いた
月光に照らされた川に流れる水を染め
いつまでもこびりつく血の黒を眺めた

 

新しい朝が来るたびに恐怖を感じては
洞穴の中でジッとうずくまって過ごす
新しい夜はいつも親しげだから彷徨い
眠る気になれずに永遠に目覚めている

 

むず痒い首筋を掻き毟ると蟻が落ちた
寒気がして振り向いても何も無かった
しかし私は一体何者だったのだろうか
何故ここにいつまでもいるのだろうか