読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所。

No.62 流船

 

 

煌めく理想郷から突き出ている摩天楼
儚げに光るのは一筋の涙のような流星
実はそれは星の残骸に似た宇宙船だが
理想郷に住む人たちは願い事を唱えた

 

無重力の中で掴み合う二人の男の目的
それは宇宙で一番輝く鉱石と膨大な金
赤と青の宇宙服は空中を泳ぎ掴み合う
鉱石と金は宇宙船の中を無軌道に舞う

 

流星に間違えられた宇宙船の中の死が
人たちの願いを聞き入れるわけもない
青色の宇宙服が勝鬨を上げる瞬間にも
鉱石と金は同じ顔のまま無重力を舞う

 

宇宙船は高速で止まらずに星々を通り
一人を乗せ何処へとも無く進んでゆく
青い宇宙服を脱いで機内に重力を加え
彼は長い髪の毛を下ろしソファで眠る

 

金色に輝く髪は宝石より煌めいていた
青い目が閉じられ何時間か過ぎていた
鉱石は金と擦れて傷が付いてしまった
小さな星にぶつかり宇宙船は爆破した