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うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所。

No.59 work

 

全てを計算し尽くして仕事をこなして
早朝のブラックコーヒーを飲み干して
それから家に帰るとぐっすりと眠って
二日置きに来る仕事までのんびりする

 

リストの殆どはもう消えてしまったが
男はライフルを手放すことはなかった
何かを隠したいがために殺される命に
価値を決めずに目を逸らし続けていた

 

暗殺は天涯孤独の男にとって天職だが
時に悪夢に苛まれることも多いために
男は何とかして精神の均衡を保とうと
二日間の休暇は世界中に旅をしている

 

酒も煙草もギャンブルも女も興味無く
ただ自分の世界を築いて来た男の背中
悲哀に滲み夕陽は沈み とぼとぼ歩くと
癖になりそうな憂鬱に酔い潰れていた

 

銃弾に倒れ赤い海を泳いでいる時さえ
男の顔を思い出す者は誰もいなかった
病室で目覚めた男は全てを忘れていた
次の日から永遠の休暇を過ごしている