うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所

No.58 断片集

 


布団には 詰まった麻薬 秘めやかに
バレることなく 起きることなく

 

常夜灯 暗がり欲しさ 水欲しさ
乾いた喉に 薄暗い糸

 

画面割れ 顔が二つの 著名人
やけにいらつき 電源を消す

 

小鳥鳴く 電線の上 曇り空
感電死した 幻想覗く

 

今月の 給料袋 破り捨て
家計簿捨てて 浮世も捨てる

 

息もせず 死にもしないで 見上げれば
天井の影 怪物の顔

 

映画館 一人っきりで スプラッター
切り刻まれた 腕を食べつつ

 

諦めで 瞼を閉じた 情けなさ
夢は現に 喰われて死んだ

 

カルタ絵の 語る笑顔の 恐ろしさ
無数の蟻が 巣に持ち帰る

 

お互いの 凹凸合わせ 絵になった
パズル崩せば 視界は滲む

 

置き去りの 傘の錆すら 美味そうに
見える飢えには 垂れる雨粒

 

服役中 園児の声が 響いたら
耳を塞いで 描く血飛沫

 

殴りつけ 殴られ続け 腫れ上がる
心の中では 憎悪が育つ