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うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所。

過去詩 まとめ13

こんな時間ですが、誰かに寄り添えるように詩を載せます。章が変わり、少しマイルドな表現になります。

 

***ガラクタの匣***

 


   ・ガラクタ

 

自由の人よ この世界を駆け回れ
孤独の人よ その部屋を出て行け
憂鬱の人よ あの広い空に叫べ

 

自由は手の中に 孤独は胸の中に 憂鬱は頭の中に
自由は兎 孤独は鷹 憂鬱は蛇


希望よ それらを操れ

 

海水の涙 太陽の微笑
薬の親友 毒の恋人


憩いは空に 休息は地に
精神の深海には無数の未知

 

人間は機械 動物は野生
心無くせば 身体はガラクタ


ブヨブヨの皮を着て 動く無機物

 


    ・歯車

 

とけいの塔か あたまの中か
巨大な歯車ごう音たてて
回り回り つかれも知らず
ただなにかを刻むだけだ
それを歯車は知るのだろうか
短針がなにを表し
長身がなにを表すのかを
その刻むものが時間ということを

 


   ・ ぼく

 

無限の宇宙に浮かぶ
知らない人たちの歌を聴き
知らない人たちとすれ違う
ぼくはまた、涙を流した


電車は押し合う人々
開閉と共に人の雪崩が出て入る
憂鬱なブレーキ音は耳に刺さる
ぼくはまた、気が滅入ってしまう

 

窓に打ち付ける雨の滴が
神の涙ということを信じて
苦しみというものが平等だと信じて
ぼくはまた、大切なものを失う

 

交わり方もわからず
ふざけ方もわからず
困惑の日々は過ぎていき
ぼくはまた、一人きりになってしまう

 


   ・他人

 

いつ何時も 僕はその言葉で傷ついた
そして或いは励まされ
その言葉に恐怖した
いつ何時も 僕はその視線で苛ついた
そして時に悲しくなり
その視線を遠ざけた

 

貴方は獣か? 人間だ。
貴方は神か? 人間だ。
貴方は悪か? 貴方は善か?
人間だ。 それだけは判っているのに


貴方は魔法か? 貴方は強者か?
或いは弱者か? 或いは……、
でも貴方は、どうでも良いと思ってしまえば
どうでも良いから不可思議だ

 


   ・無限に回る

 

重力のない暗闇の中で
太陽であろう恒星の光と温もりを感じ
自身の鼓動を聞き
空気を送るチューブが揺れるのを見る
きっと何時間も回っているのだろう
様々な方向への無限の回転
漂う暗闇は肌寒く感じるが
太陽のおかげで孤独は感じない
幾年たったのだろう
それとも何ヶ月、何日、何時間、何秒
時間が経過したのだろう
しかしこうしているとそんな考えは
薄れゆきつまらなくなる
この重力のない暗闇の中で
ずっと回り続けているのも良い

諦めに似た思いで地球であろう惑星を見つめる
この青は突き刺さるように美しく
どこまでも透き通り、どこまでも儚く
そんな星の友達になった気分で回っている
頑丈な服に包まれているから
僕は爆発しなくて済む
目に見えるところに僕に似た惑星があるから
懐郷心に頬を濡らさずに済む
暗い、どこまでも暗い
この海のような場所で僕は回り
こんなにも穏やかな心で、凛とした気持ちで
 今にも、人間をやめようとしている