うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所

No.50 cook

 

厨房には踏み潰されたゴキブリの死骸
コンクリートの上にこんがりと佇んで
まるで調理する料理人たちを睨み付け
踏み潰そうと企んでいるように見える

 

暗い話題から明るい話題までこなして
何でもござれのトーク展開を繰り広げ
料理が冷めても止むことなく喋り続け
料理人たちは休憩までの時間を過ごす

 

休憩中には煙草を吸いながら話をする
まるで漫才師のようにぺらぺらと喋る
休憩室の中で燻製を作れるほどに煙る
それぞれの個性を煙草の銘柄に載せる

 

白衣を着込み円柱の帽子で気合を入れ
厨房に戻ると仕込みを開始し喋り出す
ギャンブルと酒の話で盛り上がった所
蝿が集るので彼らは蠅叩きで退治する

 

段々客が多くなると口数は減ってゆき
段々少なくなると口数は徐々に増える
そうして時間になるまで時間を潰して
閉店すれば彼らは満足げに帰ってゆく