うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所。

No.43 傷物

過去の一度の失敗に足を取られ動けず
時間という歯車に任せ進んでゆくだけ
あれから一歩も自分で歩いた事はない
傷物の商品を誰が手に取るというのか

 

自堕落な男の下らない出来事の数々に
口を出す気も無く抱かれるだけ抱かれ
帰って行く女たちの閉めたドアを見る
そこには細かい線のような傷跡がある

 

何も無いところで何もせずに眠りたい
静かに静かに ひっそり一人きりになり
苦し紛れに手を伸ばしライターを擦り
密かに企てる犯罪やらを思い返したい

 

チーズを乗せたパンをレンジに入れて
500ワットで2〜3分待つくらいに
明確な心境のやり直し方を知りたいが
食欲が失せたので考えるのも気色悪い

 

傷物のイヤリングが転がっていたから
燃やせるゴミの袋の中に仕舞っておく
どうしようもない一日を過ごしてゆく
冷え切ったスープのように心を閉ざす