No.40 〈生きる〉

高校の卒業文集にて、谷川俊太郎の「生きる」を自分なりにアレンジしてみるというお題で書いた詩です。

 

 

〈生きる〉

 

空を見上げれば鳥が飛ぶ

海を見つめれば魚が泳ぐ

今あるそれだけで証明される

花が咲く

風が吹く

葉が揺れる

そのこと自体が生きること

 

自分が自分であると知り

その自分を見つめると

あらゆる“何か”に気づくだろう

息をする

夢を見る

その全ては生きること

 

変わりゆく世界も生きる

過ぎ去った過去も生きた

今現在も生きている

いつか終わりが来るのだろうか

わからないまま生きている

そしていつかは無くなって

どこかに帰るときが来る

 

この生きていることは

この吐いている息は

この出している声は

最後に一体何処に行くのだろう

この身に訪れるものならば

自身は一体何処に行くのだろうか

 

生きて生きて

それでも困難は降り注ぐ

それを超えたときに

何かを見つけられるだろう

世界が変わり

自分が変わる

それでもなお生き続ける

 

 生きる全てが今で

 今の全てが生きること

明日死んでも今日死んでも

今生きていれば生きている

自分で生きよう

この世界で生きよう

何かを探す旅のように

何かを見つけられるように