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うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所。

No.33 報復

苦しむ顔が好きなFはNに接する時に
サディスト気取りをしているけれども
見抜いているのはNの方だったために
警官に撃たれたのはFの方だけだった

 

例えば麻薬塗れの書斎の中 粉塵爆発し
二人が燃え盛る炎になってゆけたなら
(映画の最後のような最期を飾れた)
Fは死ぬ間際にそんな事を考えていた

 

警官はNの情報に報酬を渡して帰った
Fを陥れた計画は随分と前からあった
Nは満足げに軽い足取りで自分の車へ
乗る瞬間に爆発して粉々に吹っ飛んだ

 

警官に陥れられたのはFだけではない
Nも口封じのために殺されてしまった
Fは地獄でNを待ち構えているだろう
永遠に苦しむ彼の顔を見て笑うために

 

こうして罠にはまった二人は消え失せ
家に着くと車を止めてほくそ笑む警官
彼はまだ知らない既に惨殺された妻は
冷え切った夕飯に頭を突っ込んでいる