うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所

No.17 歩く

優しい歌を聞くたびに
複雑に絡み合う感情の糸を
断ち切ろうとしても
固く結ばれて いつまでもこだわる

悲しい歌を聞くたびに
複雑に絡み合う感情の糸が
断ち切れてしまいそうで
固く結んで いつまでもこだわる

過去や未来 現在を分け隔てなく
感じていたいし 考えていたいのに
そんなこと出来るのは空想の人だけ
僕はただの非力な現実の人間だ

路地裏に捨てられたみたいな
どうでも良い記憶を拾って
新しいスケッチブックに
コラージュしたら報われるかな

路地裏に捨てられたみたいな
どうでも良い自分を探して
古ぼけた写真を見返しても
心に穴が開いて そこに風が吹くだけ

あの頃輝いていたであろう笑顔も
優しい眼差しも もう消えてしまったから
また歩き出すよ 歩き続けるしかないから
失ったものを取り戻すために

失うことを恐れないように