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うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所。

過去詩 まとめ10

 

この章からかなりパンチが効いてきます。

 

***気狂う宴***

 


・発狂

 

黄色が綺麗に咲いている
自分の目の前にはクレヨンの花が咲く
この花を摘み取ることは出来ない
絵はこの世界に出て来れないから
この花は自分
暗いアスファルトに描かれた絵、落書き…
存在を今、誰にも知られないまま、
閉じ込められた哀れな花

ちょっと叫んでみる
ーーーーーーー、
声に成らずに五月蝿く響く
ーーーーーーーーー、
自分は気が狂ったように叫んだ

ここはジメジメしてる
自分がいる場所
自分が存在していることを唯一知っている
また叫びたくなったけど、
足音がするからやめて置いた

 


・虚言

 

空を飛べる 水の中で生活が出来る
僕は死なない いつでも生を感じ 作り 触れている

昨日家に友達が来た 彼は自殺志願者だった
だから説得したんだ 目の前にある闇を見てはいけない
目の前にない光を見なければならない

すると彼は答えた
目の前にないものをどう見るのだ 目の前になくては
目の前にあるものしか見えないじゃないか

僕は 死は救われる行為ではない
闇の中へ身を投じるだけのことだ 自らの命を自らの手で絶つことは
これから君を闇に閉じこめることだ
君の言う〔見る〕と 僕の言う〔見る〕は違うじゃないか
理解しようとしてくれ 僕の話を  考えを聞いてくれ 僕の思いを
  と 彼の肩を掴み揺すぶりながら説いた
それから一時間 彼と話した…


…その夜 彼は死んだ
安らかだった 眠ったように笑ったように遣りきったように
その死に顔は美しかった 男とも女とも解らない彼の顔

僕の前で死んでいた 彼は自分で自分の命を絶った
楽になったのだ 光を遮断し闇を受け入れたのだ
どこまでもどこまでも暗く深い暗闇の中
いつまでもさまよう事を誇り高く受け入れたんだ

電話が来て 今から来てくれと言う
彼の家に行くと鍵は開いたままだった イヤな予感はその時に始まった
それは悉くも当たったのだが その顔は悉く僕の理想や予想を打ち壊した

僕は彼を抱き 冷たく重い物体に成っていたその体を
少しだけ揺すってみた
周りには異臭が漂う 腐ってもいないのに
でも彼の顔は 安らかで妖艶で
接吻でもしたくなるような 抱き締めて潰したくなるような
愛くるしい友よ もう今は亡き友よ

僕の警告を無視した だがしかし それは彼にとって正解だった
美しい親友よ その死に顔よ…

よし 明日は僕の番だ
今いこう 彼がさまよう世界に 闇に そして彼の天国に

こうして僕は 自殺を決意しました

 


 ・殺意

 

どうしようもない君に撃ち込んであげよう
この世から君という文字を消してみせよう
憂鬱にもう頭を抱えないで
今この弾で楽にしてあげよう
人が一人死ぬという重さを君の命で示そう
この世で要らないものが君だということを教えよう

きっと君がした仕打ちはもう生きていることでは償えない
どうしようもない君は今日も何かを食べるでしょう?
そして喋って歩いて呼吸して眠るでしょう?
それが耐えられない もう終わりにしたい
だからその汚い頭を撃ち抜いてあげよう


きっと誰もが君に同情する
だから良いだろう、悲劇のヒロインよ


君を恨むのはこの世でたった一人かもしれない
でもその恨みは君を破滅させるほどの力を持つ
だから君は終わる
永遠にこの世から消え去る

一人きりでさ迷う君は
いつまでも同じ道を歩き続ける
あの世なんて存在しない
ただただ暗い道を歩き続ける
そして思い知って欲しい
復讐は人一人を殺してしまうのだと
もう二度と君に傷つけられたくないと

君は裏切った
娼婦よりも汚い手段で
この気持ちを踏みにじって捨てた
そんな君が何故に生きていける?
弾を込めた銃はもう君に向けられた
後は引き金を引けばいい…

何故君は最後に笑っていた
何故この気持ちは生まれてしまった
殺意はもう消えてしまった
それは殺せば消えてしまうからか?
きっとそれは違う
頭は綺麗に吹っ飛んだ
君の眉毛の間を玉は貫通した
私はけたたましく鳴るサイレンを聞いていた
片手に持った銃を見つめた
その場に座り込んで考えた
そして、今度は僕に殺意を覚えてしまった